アロジン について
 
[環境負荷物質使用廃止と六価クロムフリー・アロジン]
アルミとアロジン処理について

アルミの概略について説明します。



歴史と性質
アルミは私たちになじみの深い鉄と違って、金属として19世紀に発見された比較的新しい金属です。
性質としては、

@軽い(比重2.6〜2.8)。
A熱伝導度がよい(銅の半分、鉄の3倍)。
B加工性が良い。
C再利用しやすい

これらの理由から航空機、通信、電気、船舶、車両、建築、冷暖房設備、熱交換器、送配電線、食器その他に数多く用いられています。

なぜアロジンをするの?
一方アルミは酸化されやすい金属です。逆にこの性質のため出来た酸化皮膜がアルミを保護します。(ステンレスのように)。ただし、この酸化皮膜の厚み限度は、0.005ミクロン程度といわれ、これ以上の耐食性を持たせるためには陽極酸化や化学皮膜処理(化成皮膜)等の処理を施す必要があります。また、アルミは塗料との密着性は良くなく、密着性を向上させるためにも同様の処理が必要となります。

またアルミは、金属として電極電位が低く、湿度の高い雰囲気で他の金属と接触させておくと腐食しやすい性質があります。

化学皮膜処理の特長
このため、アルミに耐食性を持った皮膜を形成するには、電気的な方法(アルマイト)や化学皮膜処理(化成皮膜)をします。
このうち化学皮膜処理の特長は、

@比較的低コストである。
A耐食性が良い。
B外観がきれい。
Cコイル材を連続的に処理できる。
D塗装の下地処理に向いている。

等があります。

 

化学皮膜処理には大別して、

@アルカリークロム酸塩系
Aクロム酸塩系
Bりん酸ークロム酸塩系
Cリン酸亜鉛系
D酸化皮膜系

があります。そろそろ本題に入りますが、
「アロジン法」は、Aクロム酸塩系、Bリン酸ークロム酸塩系に位置します。一般的に呼ばれている「アロジン」は、Aクロム酸塩系です。「アロジン#1000、#1200」と言われているのはこの系統です。余談ですが、英語で書くとAlodineですが、欧米ではむしろAlocromと呼んでいるようです。アメリカのYAHOO、Google等の検索エンジンで検索してみると良く分かります。
アメリカのYAHOOへ(alocrom)

1200番,1000番
!?
一般に国内で使われている化成皮膜は、
アロジン1200、アロジン1000といわれるものです。アルサーフイリダイトと呼ばれるものもこの仲間です。

アロジン1200は、黄色の外観の皮膜です。非常に耐食性があります。アロジン1000は、無色の皮膜です。1200ほど耐食性はないものの、色がつかないことと、環境に優しいということで増えつつあるようです。

亜鉛めっきをご存知でしたら、クロメートが1200、ユニクロが1000に相当すると言ったら一番分かりやすいでしょう。


なお、アロジン1200やアロジン1000は、「日本パーカー」さんのアルミ処理薬品の商品名となっています。

六価クロムフリーのアルミ化成皮膜処理について

最近何かと話題の環境負荷物質。当社では、六価クロムフリーのアロジンタイプの処理を、2004年7月量産開始を目標に現在試験処理中です。


  kurimoto@soeinet.or.jp