めっき(メッキ) ということばについて

 

         
    めっきと言う言葉は、日本語です。ですからひらがなで、めっき と書くか 鍍金(滅金)と書くのが本来でしょうが、なぜか一般的には メッキ > めっき > 鍍金 という順に書く人が多いようですね。

ところで、ある日、「めっき は、なぜ めっき って言うの?」というメールをいただきました。確かに、「なぜ」めっき というのだろう?
以外と、「めっき」の本には「めっき の歴史」については、書いてないんですね。今回は、「めっき」という言葉についてご紹介します。

           
           
    仏教文化とともにやってきた   つくりかた  
           
   
のの本によると、 めっき の歴史は古くから伝わっていました。中国では前漢のころから行われていたようです。陽の出づる国日本では5世紀頃に中国からその技術が渡来しています。皆さんご存知、奈良の東大寺の大仏さんは、其の完成当時(755年)、仏像全体と台座の蓮弁および蓮実まで 金めっき を施されていたことが記録に残されているそうです。さぞかし、光り輝きその荘厳さ仏教をカルチャーショックとしてイメージさせていたのではないでしょうか。
 
古くて、先端技術
 

では、電気を流したり、どろどろに溶かしたり、真空中で溶かしたり、とかいろいろな方法で めっき をします。 めっき は今でも最先端の技術でコンピューターのCPU等の部品にも めっきさ れている古くて新しい技術なのです。


 

大寺の大仏さんは、金銅仏です。 金銅仏というのは青銅製の鋳造仏に金めっき を施したものを言います。古代の金めっき は、ほとんどがアマルガム法という方法によってめっき されています。その方法は、

(1)まず金1に対して水銀2〜3の割合で水銀の中に金を溶かしたアマルガムというものを作ります。このアマルガムのことを昔は 滅金 と言っていたようです。
(2)さて、次に、きれいに磨いた鋳物の表面にアマルガムをこすり付けます。
(3)その表面を350度C位に炭火で加熱すると、
(4)水銀が蒸発して金の層が残され、金めっき が得られる。・・・・・。

というわけです。もちろん、お分かりのように、アマルガムのことを 滅金(めっき) と呼んでいたのが、いまでは漢字で「鍍金」と書くようになりました。

考えてみると、たとえば、

水性絵の具を水にといて、絵をかく。→絵の具の 水が蒸発して絵の具だけ残る→絵がかける。これと原理的には同じですね。甘い物好きのあなたに、銀色のかぶせ物はありませんか?これもアマルガムかもしれません。この場合も、めっき というのかしら。

 
           
           
   

■めっきいろいろに戻る

     
 
kurimoto@soeinet.or.jp