亜鉛めっきは、図面の「表面処理」(surface)を見ると、Ep−Fe/Zn8/CM2 のように書いてあります。(JISの場合であって、メーカーによって標記は異なっている)
したがって、この表面処理を満たしているかどうかの確認を行うことになります。めっきの記号 でも述べたとおり、記号の意味するところは、
Ep 電気めっき
Fe 鉄素地
Zn 亜鉛のめっき
8 8ミクロン以上(めっき厚:測定位置は協定による)
CM2 クロメート(有色クロメート、いわゆるイエロー
です。通常一番問題になるのは、「外観」でしょう。
- 外観
- つやの度合いや、つやむら、色むら、曇り、シミ、膨れ、キズ、ピット、剥離、割れ、素地の露出、変形、異物付着、ここで適当かどうか異品混入も対象になります。一般的には、目視検査です。中には、機械的検査を行う場合もあります。
- 厚み
- めっき厚の最小厚さを確認します。一般に、協定により測定箇所を決めますが、通常は検査規格等におり込み、得意先の承認を得ることが多いでしょう。電気めっきはその性質として、一般的にめっき厚のムラが生じる(最近は、スーパージンケートと称して厚みのムラの少ないめっきも開発された)ため製品の使用目的から、どの部位を測定対象とすることが適切かあらかじめ決めておくことが大事です。作業性を重視した場合、膜厚の必要な部位にめっきをつけることと相反したということは、現場的にはよくあることです。測定方法は、亜鉛めっきの場合は、一般的に電磁式、渦電流式、破壊式、蛍光X線式等があります。
- 耐食性
- 耐食性は、当事者間の協定により定めることになっています。注意すべきは、思い違いでしょう。私の経験では、緑色クロメートの耐食性については、メーカーにより差が見られます。したがって、A社の緑色クロメートの規格が144時間だったから、B社もそうだとは、言えません。クロメート、黒クロメートについては、大抵が72時間白錆不可でしょう。これも、××時間白錆〇△%未満という場合もありますが・・・・・・・。検査方法は、一般的に塩水噴霧試験(JIS)があります。複合サイクル式もありますが、メーカーにより試験条件が異なり、一般的に普及していないようです。
- 応力除去
- 製品によっては、応力除去を求められる場合があるでしょう。この場合の条件(加熱温度、加熱保持時間、後処理の条件)等は、後日のトラブルを防ぐ為に必ずあらかじめ協定しておく必要があります。
- 水素脆性除去
- 水素脆性の場合も 、、応力除去と同様にあらかじめ条件(加熱温度、加熱保持時間、後処理の条件、識別方法、記録方法)を協定しておく必要があります。水素脆性については、これといった確認手段がありませんのでとりわけきちんとしておきましょう。