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これは、MIAの語り部であり、実践者である今井清二郎氏が、富岡の青年会議所のメンバーにMIAについての熱き思いをメールでつづったメッセージです。
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MIAのオリジナル発想である『企業の生々流転』が今日のテーマです。 ≪企業は生きている!≫、とムーチョは言った。 生き物は決して同じ状態にとどまることは出来ない。常に生々流転していると認識しなければならない。 この発想が我々の企業目標を明確にしてくれる。 プログラムに企業の生々流転を取り入れよう!! これも小野さんの提案である。 --------------------------------- [ 企業の生々流転 ]
さて、いったい企業はどんな生々流転をしているのであろうか? MIAでは、企業の生々流転を5つの期に分けている。 [ 創生期 ] [ 発展期 ] [ 成熟期 ] [ 衰退期 ] [ 再生期 ] の5つである。 それぞれの期には特徴的なパターンがあり、いづれもそのまま留まることは出来ず常に変化していくという宿命がある、としている。 現実の企業には、これらの特徴的なパターンは混在していて、創生期にありながら発展期のパターンも入っているし、衰退期型のパターンさえ見受けられるのが一般的である。 これはそのこと自体が問題ということではなく、現実の多様性を表しているに過ぎない。 では、各期の特徴的なパターンを見てみよう。 【 創生期 】 文字通り、企業は必ず創生期からスタートする。 一人、または数人の創業者が企業を興し活動をはじめる。創業時にはないものづくしの状態が普通だ。 資金力も不足、商品も未開発、信用もないし良い社員もいない。あるのは、燃えるような情熱だけという状態だ。そして、創業者は文字通り不眠不休の企業活動を行い、やがて少しづつ仕事も増え、社員も増強されて、商品のラインアップも揃い、信用もついてくる。 創生期は長くは続かない。発展期に移行するか、失敗して企業が消滅していくかの二者択一しかないのだ。 【 発展期 】 創生期をうまく乗り切った企業はやがて発展期へと移行していく。 発展期では、業績が急展開して企業規模は拡大する。取引先は増え、社員も大量に採用され、社員の平均年齢は若く、企業は熱気を帯びてくる。 しかし、急成長ゆえに企業内ではアンバランスな面を多く抱え込むことになる。良い管理者は揃っていないし、社員の質も高くはない。売上に対する自己資本比率も低く、設備投資にも十分な費用はつぎ込めない状態だ。問題を抱えながらも企業の発展は、そのエネルギーがもととなって七難を隠す。 やがて、経営陣の強化、権限の委譲、高付加価値商品への転換、長期・短期目標の策定等の経営戦略の転換に成功した企業だけがその業界のシェア・アップを達成し、次なる期へとテイク・オフしていくことが出来るようになる。 発展期が永続できない理由は、企業の宿命だ。≪全てのマーケットは有限だから≫である。 今、5億円の売上の企業があったとしよう。 発展期なら毎期50%の成長をすることは可能だ。しかし、5年続けば37億円、10年で288億円、15年で2,189億円、20年ではなんと1兆6,626億円にもなってしまうのだ。 発展期が永遠に続かないことをおわかりいただけると思う。 【 成熟期 】 企業はやがて安定成長期へと移行していく。 成熟期では、売上げの伸びは平均経済成長率程度であるが、確実に増収増益型の企業体制が続く。 社員数も現状維持程度で、設備・資産・資金とも十分な体制だ。 経営陣も安定し、組織は水も漏らさぬ充実ぶりだ。企業が最も成果を得るのがこの成熟期であるといえる。 しかし、安定成長ゆえに時間の経過と共に問題が生じてくる。 社員の平均年齢と共に、給与水準は上がり、組織は活性化を失ってくる。 何より、経営陣の高齢化が目立ってくる。商品開発力も以前と比べると低下してくる。 多角化経営、国際企業戦略、分社化などで発展期型の企業体質に戻そうとするが、多くの企業は衰退期へと落ち込んでしまう。 【 衰退期 】 衰退期では、次々に難問が生じてくる。 競合に勝てず、売上は減少していく。会社全体に活力は消え、けだるい空気がただよう。 売上減少とともに利益率は級数的に減少し、ついに毎年赤字の連続という決算状態になる。 遊休設備や不動産の売却、粉飾決算等でカバーできるのは数期のみで、やがて、破産状態にまで転落してしまう。経営陣も無気力で、なぜ?という問題点は理解していながらも適切な対策も実行できず、凋落の一途をたどる。 衰退期が長く続かないのは当たり前。いづれ、再生期に移行するか消滅かの道しかない。 |
【 再生期 】 衰退期から再生期への以降は、5つの期の中では最もドラマチックな展開になる。 それに当たる経営者の決断力は最も厳しさを要求される。 それは、経営者の否定からスタートする以外にないからだ。徹底的なリストラ、資産の整理、不採算部門の切り捨て、長年の企業風土はすっかり変わる。 やがて、それらの効果が生まれてくると、少しづつ増収増益へと向かうことが出来るようになる。 向かう先は、発展期だ。 以上が各期の特徴をかいつまんであげたものだ。詳しくはハンドブックを参照してください。 [ 今どこにいるのか、どこへ行こうとしているのか? ] MIAでは、チェックリストによって自分の企業がどの「期」にあるのかをまず把握するようになっている。 そして、次なる目標の[期]を設定する。 創生期にあれば発展期を、発展期にあれば成熟期を、成熟期にあれば体質を変えて発展期に戻ることを目標とする。衰退期にあればやはり発展期に戻り、再生期にあっても求めるのは発展期である。 理想的な企業パターンは、発展期と成熟期を循環する企業である。 人間は命という限界があって個人の出来ることは限られている。 しかし、企業はこの一人の人間のもつ制約を見事に打ち破っている存在だ。言葉を変えて言えば、個人の限界を打ち破るために企業を作っているといえる。 企業のペースが≪ひと≫≪もの≫≪かね≫だと言われているが、これらは社会からいくらでも調達できる。 経営者の発想さえ常に斬新であれば、求める企業体質はいつでも実現可能なのである。 MIAでは、5つの期のパターンを類型化している。 次なる期を求めてそのパターンの中の何を今取り込もうとするのか、目標としてとらえることが出来る。 常に、次なる期のパターンを先取りしていくことが重要である。 次に、生々流転についての考え方を列記しておく。 * 企業は不明の明日に不安を持つが、目標がしっかりすれば恐怖はなくなる。 * 企業は空を飛ぶ飛行機だ。常に推進のエネルギーをもたないと墜落する。 * 飛行機は低空では天候に左右されるが、雲の上に飛び出せば安定飛行が出来る。 * リーダーシップに絶対的なものはない。企業の状況でワンマンも放任型も必要だ。 * 創生期には創業精神がある。”原点にかえれ”という合言葉はこの精神を取り返せということだ。 * 同じ業界で成績の良い企業と悪い企業の違いは、社員の平均年齢にあるというデータもある。 * 一世が二世にバトンタッチするとき、バトンタッチのタイミングは生々流転の中でつかめる。 -------------------------------- さて皆さん、企業の生々流転はどのように感じられましたか? -------------------------------- 今日はこれまで。本当は今日はゴルフの予定でしたが、雨のためスケジュールが空いて、半日MIAに集中することが出来ました。雨に感謝!! |
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